春の穏やかな海、マイボートで出船しての釣行。この日、私のタックルに食いついてきたのは、62cmの良型ヒラメだった。この時期ならホッケ、カレイ、ソイ、カジカなどが定番でヒラメは狙っていませんでした。
一見すると偶然に思えるこの一尾。しかし、その背景には「春のヒラメの行動パターン」と「潮流を読むジギング戦略」が大きく関係していた。この記事では、その釣果の詳細とヒラメの生態に基づいた考察を交えてご紹介したい。
使用タックルと状況設定
- ロッド:シマノ オシアジガー リミテッド LJ B63-2
- リール:シマノ オシアコンクエスト 200HG
- ライン:バリバス X9(200m)
- ジグ:スティンガーバタフライ キングスラッシャー 150g(潮が速いため抜けの良いジグを選択)
- 水深:おおよそ30m
- アクション:ボトム付近から10巻程度でヒット
- 潮流:比較的強く、ドテラ流しで対応
当日は潮が早く、ジグの選定には少し悩んだが、150gを投入することでボトム感知とコントロールが安定。10巻き目で重厚なバイトがあり、そのまま巻き合わせでフッキング。ファイトは横走りというよりも、底へ底へと粘るような引き。
キングスラッシャーはスリムなジグは潮抜けもよくシャープ動く感じが良いです。フォールでのバイトでした。ドラグは1kg程度とゆるい感じにしています。
最初は、ドラグが出るのでホッケのダブルかな〜、と思っていました。最近はジャイアンホッケがいるので2本かかればドラグもジリジリと出ていく感じなのでホッケだと思っておりました。でも、白い魚体はヒラメだったのです。
私自身、シマノマニアなのでシマノのジグが多いのですが、もう一つはメジャークラフトのジグは私と相性が良いようでタックルボックスにはだいたいいます!
この時期は五目釣りになることが多いので軽めのジグのラインナップですが、基本はドテラ流しで広範囲にサーチしていきます。バーチャルではないので、長めのロングタイプの使用頻度が高いです。
メジャークラフトでいうとファーストジグが好きですかね。釣れますよ〜。
なぜ春のヒラメは浅場に寄るのか?
ヒラメは基本的には水深50〜100m程度のやや深場を好むが、春になると比較的浅い30m前後のエリアにも姿を現すようになる。
その理由として、以下のような生態的背景がある:
- 水温の上昇
- 春になると表層水温が上がり、ヒラメにとって活動しやすい水温帯(約10〜15℃)が浅場にも広がる。
- ベイトの接岸
- カタクチイワシ、イワシ類、シラス、コウナゴなどの小魚が沿岸に集まり、それを追ってヒラメも浅場へ回遊してくる。(今年はコウナゴ漁すこし捕れているようです)
- 産卵期との関連
- ヒラメの産卵期は地域差があるが、春から初夏にかけて行われることが多い。産卵に適した砂地や浅場の海底環境を求めて接岸する個体が増える。
この時期は、サイズ・数ともに狙いやすいタイミングであり、釣り人にとっては最高のシーズンのひとつだ。
東しゃこたん漁業協同組合
毎年ヒラメの稚魚放流を実施しています。2023年には、大規模な放流実施しました。古平港沖で約51,250匹と5cmほどの稚魚を放流しています。
他の漁港でも放流は継続して行っています。今では港内での釣りは禁止になってしまいましたが、毎年座布団級の90cmが釣れていました。それもちょい投げですよ(笑)。
年齢 | 平均体長 | 備考 |
---|---|---|
1年 | 20〜25cm | 稚魚放流後、沿岸で成長 |
2年 | 30〜35cm | 小型サイズとして漁獲対象に |
3年 | 40〜45cm | 成魚に近づく |
4年 | 50〜55cm | 雄の成魚サイズ到達が多い |
5年 | 55〜60cm | 大型個体の仲間入り |
6〜7年 | 60〜70cm | メスはさらに成長しやすい |
釣果の意義と今後の戦略
今回のように、潮が速くても対応可能なジグ選定、ドテラ流しに適したロッドとリールの選択が功を奏した形となった。特にオシアジガーリミテッドB63-2の感度と、オシアコンクエスト200HGの小型だけどパワー&巻き取りは、まさに”武器”と呼べる組み合わせだった。
また、バリバスX9のラインは潮馴染みと操作性が良く、ドテラ流しとの相性も抜群だった。
春のヒラメは、魚の状態もよく、食味も極上。サイズ以上に嬉しい価値がある。釣って楽しく、食べて美味しい。これだから春のヒラメはやめられない。次は、違う釣り方で「ヒラメ」だけを狙います。