上げ三分・下げ七分とは?釣り人必見、大潮より狙うべき理由【潮回り解説】

理論・テクニック
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海釣りをする人なら、一度は「上げ3分・下げ7分が釣れる」という言葉を聞いたことがあると思います。潮が満ちたり、引いたりする潮汐。これと時間を重ね合わせたとき、どのタイミングがもっとも釣果が得やすいのでしょうか?

多くの人は「大潮の朝マズメが一番釣れる」と思っているかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか? 釣果は人によって「数」を求めるのか「大きさ」を求めるのかでも違ってきます。私は、必ずしも「大潮だから良い」ということにはならないと思っています。

今回は、この「上げ3分・下げ7分」の本当の意味と、なぜその時間が釣れるのかを深掘りして解説していきます。

まずは潮汐の基本をおさらい

潮汐(ちょうせき)とは、月と太陽の引力によって起こる海面の昇降現象のことです。

  • 満潮:潮位が上がりきった状態
  • 干潮:潮位が下がりきった状態
  • 大潮:干潮と満潮の差が一番大きい潮
  • 小潮:干潮と満潮の差が小さい潮
  • 中潮:大潮と小潮の間の潮
  • 長潮:小潮の中でもっとも潮位の変化がない潮
  • 若潮:長潮を境に、再び干満の差が大きくなり始める潮

地球は1日に1回転自転するので、多くの場所で1日に2回の満潮と干潮が繰り返されます。私がメインフィールドとしている積丹エリアの今時期は「1回半」が多いですね。8時間前後で満潮と干潮を繰り返すので、日によっては満潮が2回・干潮が1回という日もあれば、その逆もあります。

「上げ3分・下げ7分」の簡単な計算方法

「上げ3分・下げ7分」という言葉は少し難しく聞こえますが、潮位を「山」や「パーセンテージ」に置き換えると分かりやすいです。

  • 干潮(0%) = 潮が完全に引ききった状態
  • 上げ3分(30%) = 干潮から満潮へ向けて、3割ほど潮が満ちてきた時間帯
  • 満潮(100%) = 潮が完全に満ちきった状態
  • 下げ7分(70%) = 満潮から干潮へ向けて、3割ほど潮が引いた時間帯

つまり、どちらも潮止まり(干潮・満潮)から潮が動き出し、勢いがついてきたタイミングを指しています。

満潮から干潮までを約8時間(480分)とすると、これを10で割って1分(1割)が約48分。 下のタイドグラフから拾うと、潮が上げ始める10:19から11:07分までが「上げ1分」。そこから計算すると「上げ3分」は12:45までとなります。ただ、この日の上げ3分は真っ昼間ということで、マズメ時に比べると期待薄かもしれません。

同じように「下げ7分」を計算すると、満潮(2:20)から1分が3:08、2分が3:56、3分(つまり下げ7分)が4:44までとなります。この日の日の出が6:56分なので、まだまだ暗い時間になり、潮回りと時間の噛み合わせはあまり良くないと言えます。

なぜ「上げ3分・下げ7分」に魚が釣れるのか?

では、なぜこの時間が釣れると言われるのでしょうか? それは、魚の食物連鎖のスイッチが入る瞬間だからです。

潮止まりから潮が動き始めると、海中の酸素濃度に変化が起き、植物プランクトンや動物プランクトンが潮に流され始めます。それを食べるために小魚(ベイト)が動き出し、さらにそれを狙って大型のフィッシュイーター(捕食魚)が動き出します。

魚は一定の環境よりも「変化」に非常に敏感です。潮の流れるスピードが変わる「上げ3分・下げ7分」こそが、魚にとっての食事の合図(チャンスタイム)となるのです。

ターゲット(魚種)によって好きな潮は違う

必ずしも大潮が良いわけではない、というのには理由があります。大潮は潮の流れが一気に大きく変わる反面、そのチャンスタイムが短く、逃すと釣果が半減してしまうデメリットがあります。

また、狙う魚種によっても「適した潮」は異なります。

  • 回遊魚(ブリやサクラマスなど):潮通しが良い大潮や中潮で、ガンガン潮が流れるタイミングを好む傾向があります。
  • 根魚(ソイやアイナメなど):潮が速すぎると岩陰に隠れてしまうため、小潮や長潮、あるいは大潮の潮止まり前後の方が釣りやすいことがあります。
  • ヒラメ・マゴチ:潮が動く「上げ3分・下げ7分」のタイミングで離岸流などの変化が起きやすく、そこを狙うと釣果が出やすいです。

小潮や長潮・若潮は潮の流れが小さい分、プランクトンの滞在時間が長いという特徴があります。そこから始まる食物連鎖もあるため、「魚によっては中潮・長潮の方が良い」というアングラーも多いのです。

日本海(積丹)と太平洋の違い

私は積丹方面をメインとしているのですが、日本海側は太平洋側に比べて、圧倒的に干満差(潮位の差)が小さいです。

そのため、日本海側では「潮の動き」以上に、「マズメ時(朝夕の光の変化)」や「風・波による流れ」が釣果に直結しやすい傾向があります。もしこれが干満差の激しい太平洋側であれば、潮が川のように流れる時間帯があるため、より潮汐表への依存度が高く、シビアな釣りになるのではないかと思っています。

「マズメ」×「上げ3分・下げ7分」が最強の組み合わせ

次の表は、ある日の中潮のタイドグラフです。


満潮から干潮までは約7.5時間。計算すると、下げ7分は7:35まで、上げ3分は15:14までとなります。

もし今回のタイドグラフでどちらに行くかと言われたら、私は迷わずこの13日の中潮を狙います。理由は、下げ7分と日の出(朝マズメ)がバッチリ合致しているからです。さらに午後の上げ3分を超えた夕方、光量が落ちてくる夕マズメに、この日最後の捕食に向かう魚を合わせて狙うこともできます。

朝マズメと夕マズメは、人でいうと朝ごはんと夕ごはん。潮がどうであれ、魚が活動を開始するマズメ時は最も活性があがる大チャンスです。大潮とマズメの「上げ3分・下げ7分」が重なれば、海の状況は最も良い状態になることが多いのです。

※最近では、スレてしまった魚はマズメ時よりも、潮で流れてくるプランクトンやベイトを時間に縛られず捕食しているという報告もあります。こればかりは様々な時間に釣行に行き、データを取っていくしかありません。便利な釣りアプリを活用するのもおすすめです

まとめ:自然に合わせ、安全第一で楽しもう

タイドグラフと天候を合わせて見ることで、確実に釣果アップにつながるはずです。

ただ、休日の関係などで「その日、その時間」にしか釣りに行けないという人も多いでしょう。潮回りが良くても、当日の天候や濁りで状況は一変します。

今年は週末によく荒れた天候となってしまいました。天気は人の力ではどうにもなりません。波が高い予報が出ていれば、勇気を出して「やめる」という選択も絶対に必要です。

予報が外れることを期待して現地へ向かうこともあると思いますが、行ったからには少しでも釣りたいのが釣り人の性。事前に風裏になる場所をいくつか把握しておくと良いですね。釣行終わりに少し遠回りをして、次回や今後のために安全な新しいポイントをロケハンしておくのもおすすめですよ。

Q
「上げ3分・下げ7分」とは、具体的にいつ頃のタイミングのことですか?
A

潮止まりから潮が動き出し、全体の3割ほど満ちた(引いた)時間帯のことです。 干潮(0%)から満潮(100%)へ向かう中で30%ほど満ちた時が「上げ3分」、満潮から干潮へ向けて30%(残り70%)ほど引いた時が「下げ7分」です。どちらも潮が動き出し、勢いがついてきたチャンスタイムを指します。

Q
なぜ「上げ3分・下げ7分」の時間帯に魚がよく釣れるのですか?
A

海中で「食物連鎖のスイッチ」が入る瞬間だからです。 潮が動き始めるとプランクトンが流され、それを食べる小魚が動き、さらにそれを狙って大型のフィッシュイーターが動き出します。魚は一定の環境よりも、潮の流れるスピードが変わる「変化」に敏感に反応して捕食を開始するためです。

Q
釣りに行くなら、潮が大きく動く「大潮」の日が一番釣れるのでしょうか?
A

必ずしも大潮が一番釣れるとは限りません。 ブリやサクラマスなどの回遊魚は大潮を好みますが、ソイなどの根魚は潮が速すぎると岩陰に隠れてしまうため小潮や長潮の方が釣りやすいことがあります。大潮にこだわるよりも、魚の活性が上がる「朝夕のマズメ時」と「上げ3分・下げ7分」が重なるタイミングを狙うのが最強の組み合わせです。

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