以前の記事で、リーダーと金具がライン同士の摩擦、せん断、圧縮で強度が低下する可能性について触れました。イモムシノットはリーダーにハーフヒッチで巻き付けていくノットですが、曲がりや歪みがあると強度はさらに低下（結束強度低下）します。もし、イモムシノットを組むのであれば、リーダーに対して曲がらないような組み方が必要になります。ノットを真っ直ぐにするにはちょっとしたコツが必要で、スイベルやソリッドリングに対してシャキーンとなっていないと合格点ではありません。
イモムシノットといっても最初の一巻はいろいろな方法があって、すべて同じではないのがまたややこしいです。ロープワークで使う巻き結びをしてハーフヒッチで私はやっています。
今までイモムシノットを使ってきたので、否定するつもりは全くありません。クロマグロを上げてきた実績もありますし、不安も全くなかったのですが、実際に実験してみたところ、思っていた強度が出ないことが判明し、新しい方法で金具に結束していくことにしました。
スリーブ結束はリーダー同士の摩擦がない点が第一のメリットです。実際に破断テストをした時に、リーダーが切れるよりノットの部分から切れることが多くありました。それと、組み方によってイモムシノット内で切れる場所が一定ではありませんでした。ノットの組み方にも問題があるのだとは思いますが、大抵は金属部分付近が最も多かったです。
50%も強度低下してしまう場合もあり、これは非常にまずい実験結果となってしまいました。スリーブが最も強いのがわかりました。ライン同士がまったく触れませんからね。今年からスリーブ結束で行っていこうと思っています。スリーブ結束に否定的な方も多いとは思いますが、ぜひご自身で強度テストを行ってみてください。驚きますよ！
どの金具を使うのかも強度を強くする上でとても重要ということもわかりました。リーダーと結束するものがスイベルなのか？ スプリットリングなのか？ という問題も浮上してきました。できればシンプルな方が良いはずです。ただ、キャストと続けていくとどうしてもPEラインのヨレが発生します。ヨレ防止にはスイベルが助けてくれそうですよね。どんどん深い話になっていく・・・・
スイベルやリングについては、金具という表現していきます。この金具に直接リーダーを組んでしまえば結果は同じでリーダー同士の摩擦による破断、強化チューブを被せてのスリーブ結束が最も強度が出そうです。
いままでイモムシノットから切れたことはありません。一昨年はワンシーズン同じラインシステムで釣行していました。8本だと思いますが全く問題は起きませんでした。大きさはマックス47kgでしたがラインブレイクもありません。なので、50kg以上の魚に出会った時に起こり得る不安を解消しておこうと考えている次第です。
そこで、AIにこんな感じで質問をしてみました。
体重30kgのクロマグロが時速80km（約22.22m/s）で泳ぐ際に必要な推進力は？
GoogleのGeminiは一切答えを出しません（笑）。複雑であり不確定要素が多いのでという理由です。ChatGPTはある程度の回答をしてくれますが、毎回数字が違うんでどれが正解かはわかりませんが、マグロを釣った経験とライン強度を考えると妥当な線はこのあたりではないかと推測します。
回答
体重30kgのマグロが時速80 kmで泳ぐ際には、約666ニュートンの推進力が必要と推定されます。との回答でした。これは最高速で水中で泳いだ時の推進力なので、ファーストランの時にこれだけの力がラインにかかるとは思っていません。
約666ニュートンは約68キロの力がかかる。ことになります。いろいろな条件でこの数値は変わるとは思います。潮が早ければもっと強い力がかかるはずですけど、ここからは推測なんですが、30kgのマグロが掛かり68kgの力がラインにかかれば、120lbでは切れてしまいます。最低でも150lbは計算上は必要になってきます。47kgのマグロであれば、68kg以上の力なので切れるはずですよね。物理の勉強の経験もないのでこれを説明できる人いませんか（笑）。
不思議なことばかりです。検証はまだまだ続けていこうと思っています。
いとう訳で今回は、前回購入していた物が手元に届きましたので実際にスリーブ結束を行いました。実際に作成しまして、これでは駄目な部分もあり、部品を発注してその到着で強度テストを行っていきます。しっかりと人柱になっていきますので、お楽しみに！
ノットによっては強度は3割から4割落ちます – より大きな魚への挑戦①
