クロマグロキャスティングにおけるフック選択の行方|シングルかトレブルか?

マグロ釣り
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釣りにおいて「フック選び」は最もシビアで、かつ悩ましいテーマのひとつだと思います。特にクロマグロキャスティングのようなビッグゲームになると、その選択がファイト時間やキャッチ率に直結するため、私自身も長年試行錯誤を繰り返してきました。今回はそのフックについて、私の体験と考え方を整理してみたいと思います。


シングルフック信奉者だった2022年

私が本格的にクロマグロを狙い始めた2022年、選んだのはシングルフックオンリーというスタイルでした。理由は単純で、
「掛かればまずバレない」
この一点に尽きます。

シングルフックはフッキングが決まれば貫通力が強く、しかも魚体に深く刺さるため、ファイト中に外れることはほとんどありません。クロマグロはとにかくパワーが桁違いで、ジャンプこそしないものの、突進や方向転換でフックアウトのリスクが常にある魚です。だからこそ、一撃で深く刺さるシングルこそが正解だと信じていました。

実際に2022年はその考えでやり切り、キャッチした魚もバラした魚もすべて「シングルだからこそ」という確信を持っていました。


トレブルフックの可能性を意識した2025年

ところが、時が経つにつれ、他のアングラーの釣果やルアーの設計意図を調べる中で、
「もしかするとトレブルの方が有利な場面もあるのでは?」
という疑問が芽生えました。

そして実際に2025年のビッグゲームでトレブルを使用したのです。結論から言うと、その時のバイトは驚くほど理想的な掛かり方をしていました。

「これはまず外れないだろう」と思えるほどがっちりフッキング。シングルであれば1点で貫くところを、トレブルは3本のフックが同時に水の抵抗を受け、ルアーの姿勢を安定させながら複数点で掛かるため、結果的に外れにくさにつながるのではないかと実感しました。


ジャークとステイが生んだワンチャンス

この時のバイトパターンも象徴的でした。着水後に2度のジャークからのロングステイ、そして再度2度ジャークしてからのステイでヒット。まさに「誘い出し」の典型です。

過去記事でも書いていますが、クロマグロは水深50mからでもわずか8秒で海面まで到達できます。今回のヒットは10秒以上ステイさせていたタイミングでした。つまり、マグロはジャークの動きを見てから「餌だ」と判断し、ステイ中に喰い上げてきた可能性が高いと考えられます。

ここで重要なのは、ジャークで見せる姿勢と、その後のルアーの泳ぎです。もしトレブルフックが付いていることでルアーのスイミング姿勢がより自然に見えていたとすれば、このヒットはまさにフック選択の成果と言えるでしょう。


ヘッドディップとフック設計の関係

私が多用するヘッドディップというルアーは、基本的にトレブルフックを前提として設計されています。フックの重さや水の抵抗を加味してチューニングされているため、シングルフックに付け替えると挙動が微妙に変わります。素直に泳ぐ感じです。

もちろん、過去にはシングルフック仕様にして「水を受けやすい位置」「重さのバランス」を調整した記事も書きました。しかし根本的に、1本と3本では水の抵抗がまったく違うのです。

トレブルは水を受けやすく、その分ルアーのローリングやウォブリングに変化を与えます。これは「邪魔」とも取れますが、時に「自然な泳ぎを演出する要素」ともなり得ます。つまり、フック自体がルアーアクションの一部を担っているということです。


シングルとトレブルのメリット比較

ここであらためて、両者の特徴を整理してみましょう。

シングルフックのメリット

  • 貫通力が強く、深く刺されば外れにくい
  • 魚体へのダメージが少ない場合が多い
  • ルアーの動きが軽快で、スイミング姿勢に影響が少ない

トレブルフックのメリット

  • 3点で掛かるためバラシにくい状況がある
  • ルアー姿勢を安定させやすい
  • 吸い込みが浅い状況でもフッキングする確率が高い

このように、どちらも一長一短があり、状況や狙う魚の活性に応じて使い分けるのが最適解でしょう。私自身、2022年まではシングル一辺倒でしたが、2025年の経験でトレブルの強みもはっきりと体感しました。


クロマグロに学ぶ「正解は一つではない」

クロマグロキャスティングは奥が深い釣りです。ナブラ撃ちなら誰でもヒットできることもありますが、誘い出しで掛けるには、ルアーの姿勢・フックの重さ・水の抵抗といった複合的な要素が絡み合います。

私が実感しているのは、正解は一つではないということです。ある日はシングルで完璧に決まるかもしれないし、別の日にはトレブルが功を奏するかもしれない。だからこそ、アングラーは自分の引き出しを増やし、状況に応じて最適解を選ぶ必要があるのです。


10月はトレブルで勝負する

2025年の実体験を踏まえ、今シーズンの10月はトレブルフックで勝負しようと考えています。もちろん、シングルを完全に捨てるわけではありません。潮の速さやベイトのサイズ、マグロの反応を見ながら切り替えることも視野に入れています。

しかし少なくとも、あの「ジャーク後のロングステイでの理想的なバイト」を再現できるのであれば、トレブルは大きな武器になるはずです。

釣りは常に進化し続ける遊びです。昨日の正解が今日の不正解になることもあります。だからこそ、自分の経験を信じつつも、新しい試みを恐れずに挑戦していきたいと思います。

次に仕留めたいルアーはこちらダイブフラット240F、マグロも成長しているので大きなルアーでの反応があるのではと思っています。もっとも泳ぎが好きなルアーです。


まとめ

クロマグロキャスティングにおけるフック選びは、単なる好みの問題ではありません。ルアー設計、魚の活性、海の状況、そしてアングラー自身のスタイルによって最適解は変わります。

2022年は「シングルフック一択」と考えていた私ですが、2025年には「トレブルも有効」という新たな気づきを得ました。これからは状況に応じてシングルとトレブルを使い分け、さらに釣果を安定させていきたいと思います。

10月の釣行も楽しみです。果たしてトレブルで再びクロマグロを仕留められるのか。その答えは、海が教えてくれるでしょう。

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