北海道の秋といえば「鮭」。東積丹の港町でも毎年この時期になると、定置網の準備が進み、港には独特の活気が漂います。漁師にとっては生活の糧、釣り人にとっては待ち望んだターゲット。そして地域にとっては観光や食文化を支える大切な資源です。
2025年の鮭漁は、自然産卵を促す目的もあり、例年より少し遅れてスタートすることになりました。本来なら9月初めからの開始ですが、今年は3日延期され、9月8日から定置網漁が始まります。
すでに海では、定置網の「型枠」と呼ばれる骨組みのようなものが準備されており、網そのものを張るのは9月7日からの予定。つまり、釣り人にとって「自由に狙えるタイミング」が、その直前に訪れることになります。
定置網漁とは?自然の回遊を利用した知恵の漁法
鮭漁に使われる「定置網」は、古くから受け継がれてきた伝統的な漁法です。仕組みは非常にシンプルですが、自然の摂理を巧みに利用しています。
まず、海岸近くを回遊する魚の進路を遮る「手網」があり、そこにぶつかった魚は進路を変えて沖合へと誘導されます。その先にあるのが「胴網」。さらに奥には「たまり」と呼ばれる袋状の場所があり、一度入った魚は出口がわかりにくくなるため、そこに溜まっていく仕組みです。
魚が自らの泳力で入り込む構造なので、網を追い立てて捕まえるわけではなく、魚の自然な動きを利用した環境にやさしい漁法と言えるでしょう。
ただし、釣り人の立場からすると、この「縦横無尽に張り巡らされた定置網」は大きな壁となります。港から河口までの沿岸部はすでに定置網でびっしり。正直なところ、網が入ってから釣りで鮭を狙うのは至難の業です。「釣れなくはないけど、釣れたら相当運が良い鮭」と言われるゆえんです。
私も初めて実情を見てこれは無理だよと強く思いました。網がはいる前がいかにチャンスが多いと改めてわかりました。
釣り人目線で見る“勝負の日”は?
今年は不漁予想が出ていますが、実際にはフタを開けてみるまで分からないのが鮭漁の常。毎年「ダメだ」と言われつつも、意外な豊漁になることもあるのです。昨年はとても高い単価で水揚げが行われました。オホーツクからセリに来た仲買もいたようです。
釣り人的に見てチャンスなのは、やはり網が入る直前。例えば9月6日(土)は大潮で、潮回り的にも最高の条件です。干潮が8:30頃、満潮が14:00頃なので、早朝から夕方まで期待できるでしょう。
9月7日は天候次第ですが、すでに網が入り始めるため、釣果は大きく減少する可能性があります。したがって「本当に鮭を釣りたい!」という人にとっては、9月6日が最大の勝負日となりそうです。
漁港内の釣りは禁止?解放区は一部のみ
ここで注意しておきたいのが「港内での釣り規制」です。多くの港ではマナーやルールを守らないことで、通年で漁港での釣りが禁止となっています。ただし、古平漁港では一部の区域だけ解放さています。
釣り人にとっては残念な制限ですが、必要なルール。知らずに釣りをしてトラブルになるケースもあるので、現地で必ず確認することをおすすめします。
開放されている部分にプレジャーボートや漁船が係留されています。その付近での釣りはご遠慮してください。ボート付近にはロープが海中に沈んでいます。浮きルアーだとしてもロープに引っかかる可能性は高いです。
ルアーも決して安くはないですからね。もったいないです。とはいっても必ずロープにルアーがかかっています。
9月1日からはクロマグロも解禁
鮭と入れ替わるように、9月1日からはクロマグロが解禁になります。こちらも北海道・日本海側の釣り人にとっては大きなイベントです。
ただし、採捕禁止期間や漁獲制限は非常に厳しく管理されています。捕獲禁止は9月8日からと予想されています。解禁からのわずか1週間、特に週末は大きな盛り上がりを見せることでしょう。
しかしその裏では、禁止期間中にクロマグロを狙うプレジャーボートも少なくありません。よく見ます。あの水深でキャスティングしていればほぼマグロ狙いです。海保もわかってますよ(笑)。
ドローンや航空機での監視しています。暇か! とツッコミたいですが、仕事なので仕方がありません(笑)。ちょっと大げさですが、大型無人航空機を海上保安庁はすでに所有しているため「シーガーディアン」に睨まれたらもう逃げることはできないでしょう。ドローンだと高度は高くないのでボートでも気づくでしょうが、シーガーディアンはもう見えない所から撮影されます。
シーガーディアン
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20250201-OYTNT50028
実際、摘発される違反者の多くはプレジャーボート利用者です。遊漁船業者は生業ですから、わざわざリスクを犯すことはしません。しかし、趣味の延長線上にいるプレジャーは「少しくらいなら大丈夫だろう」と軽く考えてしまうことがあるようです。
臨検の実態と摘発の現場
実は私自身も臨検を受けた経験があります。海上保安庁の職員が私服で接近し、雑談を装って「釣れましたか?」と声をかけてきます。その直後に、船舶検査証書・船舶免許・法定備品の確認が行われるのです。まさに「海上の職務質問」。
場合によってはクーラーボックスの中身やキャビンのチェックまでされることもあります。違反が発覚すれば厳しい罰則が待っています。
クロマグロ違反の罰則は?
もし採捕禁止期間中にクロマグロを釣った場合、以下のような罰則が適用されます。
- 広域漁業調整委員会から「指示に従うべき命令(裏付け命令)」が出る
- それに従わない場合は 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
- 悪質と判断されれば「禁錮刑」にも発展
つまり「ちょっとだけ…」という気の緩みが、一生の前科につながる可能性があるのです。釣りはあくまで楽しむための趣味。ルールを守ってこそ、次世代に豊かな海を残すことができます。
まとめ|鮭もマグロも、秋は海が忙しい
東積丹の秋は、鮭とクロマグロという二大ターゲットが入れ替わるように動く、釣り人にとって非常に忙しいシーズンです。
- 鮭は 9月8日から定置網漁がスタート
- 釣り人にとっての最大のチャンスは 9月6日の大潮
- クロマグロは 9月1日解禁、8日から禁止期間の可能性
- 違反すると 懲役・罰金のリスク
釣り人は夢を追いながらも、決してルールを破ってはいけません。今年も積丹の海で、多くの人にとって思い出深い秋になることを願っています。