ドテラ流し vs バーチカルジギング|ジグの重さと釣果を左右する基本の違いとは?

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船に乗って、いざジギング開始。気合いを入れてシャクり始めたものの、自分には全くアタリがない。ふと横を見ると、隣の釣り仲間はブリを掛けて満面の笑みを浮かべている。 シャクってもシャクっても沈黙する自分のロッド。

海に取り残されたようなあの絶望感、めちゃくちゃ悔しいですよね。これ、自分の腕やジャークのせいだと思って落ち込んでいませんか。

実はそれ、あなたの腕が悪いわけではありません。単純に「あなたのジグが、魚のいる棚に全く届いていない」という残酷な事実が原因が多いのです。

積丹エリアのブリやサクラマス、マグロを狙う遊漁船では、船の流し方ひとつで正解のジグウェイトが100g以上も変わるシビアな世界。ここで「なんとなく150g」を選んでいると、一日中海水をかき混ぜるだけの筋トレで終わりますよ。

私自身、何度も痛い目を見ながら、この「ライン角度とジグウェイトの絶対法則」に行き着いてから釣果が激変しました。 今日は居酒屋で釣り談義をするテンションで、釣具屋の店員が教えてくれない「現場のリアルなジグ選びと船の流し方の違い」をお伝えいたします。

最後まで読んで次回の釣行で主役になってください。

釣果の9割が決まる!船の流し方「バーチカル」と「ドテラ」の絶対的な違い

ジギングにおいて、タックル選びの次に頭を悩ませるのが「ジグの重さ」です。しかし、重さを決める前に絶対に知っておかなければならないのが、自分が乗る船が「どうやって海の上を流しているか」を知ることが重要なんです。

積丹周辺の遊漁船で主流となる流し方は、ほとんどが「バーチカル(縦の釣り)」です。西日本では「ドテラ流し(横流し)」が多いです。これを理解しないままジグを投入するのは、目隠しをしてバットを振るようなものです。

バーチカル(縦の釣り)のリアル

船を風上に立てて固定し、ラインを足元へ垂直に落としていくスタイル。スパンカーやシーアンカー、船長の操船によって船の位置をコントロールしてくれます。

ラインが真下に落ちるため、ジグは水深の数字通りに着底します。なので比較的軽い120gから160gのジグでもしっかりと底取りができるし、棚も正確に把握できる。左右両舷に釣り人が並べるため、多人数での乗船に向いているのも特徴です。

ただ、真下ややや前方にしか落とさないので「自分から魚を探しに行く」というよりは、船長が当ててくれた群れを確実に拾っていく堅実な釣りになります。

メリットデメリット
真下に落ちるので棚が正確に取れる探れる範囲が狭い
軽いジグでも棚に届きやすい潮の流れが弱いとジグが動かない
操作がシンプルで初心者に優しい魚が浮いていると探しづらい

ドテラ流し(横流し)のリアル

一方、風や潮に船体を任せて横向きに流していくのがドテラ流し。エンジンを切ってドリフトさせることも多く、海を広く探るなら圧倒的に有利なスタイルです。

船が風下へ流されていくため、ラインは斜めに払い出され、ジグも斜めに沈んでいきます。片舷にしか釣り人を配置できないという制約はありますが、ジグが斜めにスライドしながら広範囲をサーチできるため、ジグが水平姿勢になりやすく、より自然なベイトを演出できます。

ただし、ここで油断すると痛い目を見ます。ラインが斜めに出るということは、それだけ水と潮の抵抗を受けるということ。軽いジグではいつまで経っても棚に届きません。

メリットデメリット
広範囲を探れるジグが棚に届かないことがある
ジグが斜め方向にスライドして演出が自然ライン角度がつきすぎて感度が落ちる
群れを追いかけずに流しながらヒットを拾える重たいジグが必要になることが多い

バーチカルとドテラでのジグの動きの違い

【バーチカルジギング】

  • ジグは垂直に沈下。ジグも縦の動き。
  • 潮が弱いとフォール姿勢が不自然になりがち。
  • 水深50mでは6気圧の水圧がかかり、ジグのアクションが鈍る。
  • 有効なのはショート〜セミロングジグ、シャキッとした縦ジャーク向き。

【ドテラ流しジギング】

  • ジグは斜めに引かれ、ベイトライクな横移動になる。
  • 広範囲に探れるだけでなく、潮受けでスライドやヒラヒラ感が出しやすい。
  • ロングジグとの相性が抜群で、自然な“逃げるベイト”を演出
  • マグロジギングではフォールでのバイト狙いが主流。

ライン角度と指示棚の関係

例えば魚探に水深50mに反応があったとします。ライン角度によって、ジグをそこに届けるには以下のようなライン長が必要になります。

ライン角度と指示棚(水深50m)の関係
風・潮による船の流れ ← 角度がつくほど、同じ棚に届かせるために多くのラインが必要! 指示棚(水深50m) 垂直 (0度) 50m 30度 約58m 45度 約71m 60度 約100m

水深が同じ50mでも、船が流されてラインに角度がつけばつくほど、ジグを棚に届けるためには余分にライン(糸)を出す必要があります。
軽いジグを使っていると、流されていつまでも底が取れず、魚のいるタナを通過してしまうため、ドテラ流しでは重いジグ(150g〜300g以上)が必須となります。

ライン角度cos(θ)必要ライン長(50m棚)
30度約0.866約58m
45度約0.707約71m
60度約0.500約100m

角度がつけばつくほど、ラインは多く出す必要があり、ジグが軽すぎると届かない問題が発生します。だからこそ、ドテラでは最低150g、潮によっては250g以上のジグが求められるのです。

バーチカルとドテラの特性

バーチカルとドテラ流しの軌道の違い

バーチカル(縦の釣り)

船を立てる
魚の視点
上下の直線的な動き
  • ジグは真下にまっすぐ落ちる
  • 指示棚(タナ)を正確に狙える
  • 比較的軽いジグ(120〜160g)でOK

ドテラ流し(横流し)

← 風・潮に流される
魚の視点
横に逃げるベイトを演出
  • ラインが斜めに払い出される
  • 広範囲を探れ、横の動きで食わせる
  • 底を取るために重いジグが必要
項目バーチカルジギングドテラ流し
ライン角度垂直(0度)斜め(30〜60度)
水圧の影響強く受ける(動きが抑えられる)分散される(アクションが出しやすい)
ジグの動き上下の直線運動横方向のスライド&フォール
向いているジグショート〜セミロングロングジグ・センターバランス系
ウェイト目安120g〜160g150g〜300g(潮によっては400gも)

ジグの重さは「船の流し方」で変えるべし!

ここからが今日一番伝えたい残酷な真実です。「重いジグは疲れるから150gでいいや」という考えは、あなたをボウズ地獄へと引きずり込みます。 船長から「水深50mに反応あるよ!」とアナウンスがあったとしましょう。バーチカルならそのまま50m落とせばいいですが、ドテラ流しでラインが斜めに出ている場合、50mラインを出してもジグは絶対に50mの深さにはいません。

ライン角度がもたらす絶望的なズレ

角度がつけばつくほど、水の抵抗でPEラインは上に持ち上げられます。ここで120gや150gの軽いジグを使っていると、ジグが潮流に負けてひたすら中層をフワフワと漂うだけになります。

魚は水深50mにいるのに、あなたのジグは水深30mを泳いでいる。これでは一生食いません。だからこそ、ドテラ流しでは最低でも150g、潮が走っている積丹の海では200g以上の重たいジグを躊躇なく投入する覚悟が必要なのです。

バーチカルは「縦の直線運動」

バーチカルジギングでは、ジグは上から下へ、下から上へと直線的に動きます。水深50mの海底ではおよそ6気圧という強烈な水圧がかかっているため、ジグのアクションは私たちが思っている以上に抑え込まれます。 それ以上の水深ではセミロング以上で横に向くことはまずないです。

魚の視界には「上下に逃げ惑う獲物」として映るため、水を切り裂いてシャキッと動くショートからセミロングのジグが圧倒的に強い。テンポの良いワンピッチジャークで、縦のリアクションバイトを誘発するのが王道です。

ドテラは「ベイトライクな横移動」

対してドテラ流しは、斜めに引っ張られることでジグに「横へのスライド」が生まれます。これが最高にヤバい。 水圧が適度に分散され、ジグが潮を受けてヒラヒラと舞う。魚から見れば「横方向へスーッと逃げていく無防備なベイト」そのものです。

この横移動の演出には、水受けの良いロングジグやセンターバランスのジグが異常なほど効きます。 積丹のマグロジギングでフォール中のバイトが多発するのも、このドテラ特有の斜めフォールが強烈なスイッチを入れている証拠です。

角度を見て即座にウェイトを変える決断力

船長は常に「今何ノットで流れているか」を把握しています。例えば0.5ノットなら、10秒間で約2.5m船が流される計算です。これが1ノットを超えてくると、ライン角度が45度以上になるのはざら。 私が現場で最も意識しているのは「ラインの角度補正」です。シャクっていてライン角度が45度を超えてきたら、即座にジグを回収して重いものに付け替えます。「ジグが届いていない」という状態を1秒でも作りたくないからです。

「重いジグはアクションが死ぬんじゃないか」と心配する人もいますが、それは腕でカバーできます。重いジグでも、潮の変化と船の流れを感じ取りながらライン出しをコントロールし、ジャークの入力を調整すれば「食わせの間」は確実に作れます。 ジグの重さから逃げないこと。自然の強大な流れに逆らうのではなく、重いジグを使って流れに同調させること。

重さを制する者が積丹の海を制す

ジグの重さは「体力に合わせて決める」ものではありません。「船の流し方と、その日の海が要求してくる答え」です。 バーチカルなら真っ直ぐ底を取れる適正ウェイトを。ドテラ流しなら、斜めの抵抗をぶち抜いて確実に魚の鼻先へ届けるためのヘビーウェイトを。

隣の奴ばかりが釣れている時、悔しがる前に自分のPEラインが海面に突き刺さる角度を見てください。もし斜めるラインを見ながら軽いジグをフワフワさせているなら、今すぐボックスの中で一番重いジグに結び変えて底を取り直す。 ただそれだけで、あなたのロッドは突然、暴力的なまでの重みに引き込まれるはずです。次回の積丹釣行、準備段階からジグのウェイト編成を見直して、最高の1本を引きずり出してください。海の上で笑うのは、あなたですよ。

Q
遊漁船の流し方である「バーチカル」と「ドテラ流し」の違いは何ですか?
A

ラインが「真下に落ちるか」「斜めに出るか」という決定的な違いがあります。 バーチカル(縦の釣り)は船を風上に立てて固定するため、ラインが真下に落ちて正確な棚取りが可能です。一方、ドテラ流し(横流し)は風や潮に船を任せるため、ラインが斜めに払い出されます。広範囲を探れてジグの横スライドを演出できますが、底を取るためにはより重いジグが必要になります。

Q
隣の人は釣れているのに、自分だけアタリがない(釣れない)のはなぜですか?
A

あなたの腕が悪いのではなく、「ジグが魚のいる棚に全く届いていない」ことが原因です。 特にドテラ流しでラインに角度がついている場合、水と潮の抵抗を強く受けます。ここで「疲れるから」と120gや150gの軽いジグを使っていると、潮流に負けていつまでも底が取れず、魚のいるタナより浅い中層をフワフワと漂うだけになってしまいます。

Q
ドテラ流しの場合、ジグの重さ(ウェイト)はどのように選べばいいですか?
A

ラインの角度抵抗をぶち抜いて、確実にタナへ届く「重たいジグ」を選ぶのが鉄則です。 ドテラ流しでは最低でも150g、潮が走っている海域では200g〜300g以上のヘビーウェイトを躊躇なく投入する覚悟が必要です。ライン角度が45度を超えてきたら即座に回収し、ジグを重いものに付け替える決断力が釣果を大きく左右します。

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