今年も積丹にクロマグロの季節がやってきます。
私のクロマグロキャスティングゲームは、誘い出しを軸にダイビングペンシルで勝負するスタイル。今年2025年も、美学と哲学を貫いたルアーラインナップを準備しました。
この記事では、実戦で結果を出すためのルアーセレクト・使い分け・投入順までを完全公開します。積丹・日本海エリアでクロマグロを狙う方はぜひ参考にしてください!
毎年この時期になると、私はタックルボックスの整理を始める。いや、整理というより儀式に近い。ひとつひとつのルアーを手に取り、ラインを結び、フックをセットする。この準備期間こそがすでにクロマグロキャスティングゲームの始まりなのだ。
今年も、北海道・積丹のクロマグロシーズンがやってくる。7月、8月――。海が静かに目を覚まし、やがてどこからともなく現れるナブラ。そしてあのドッカーン!が始まる。そう、私のクロマグロゲームは、あのドッカーンの一撃のためにある。
- 釣りは哲学であり美学
- 2025年のルアーコンセプト
- 完璧に整えたラインナップ
- ① ダイブフラット 240F(Aオレンジ / 138g)
- ② フルスロットル 240F ジェットブースト(キョウリンオレンジ / 120g)
- ③ ワイルドレスポンス 240F アルミスペシャル(ケイムラアルミシイラ / 137g)
- ④ オシアペンシル別注平政 220F(キョウリンオレンジ / 114g)
- ⑤ 別注平政 190F フラッシュブースト(Aオレンジ / 73g)
- ⑥ ヘッドディップ 175F フラッシュブースト(Aオレンジ / 97g)
- ⑦ オシアペンシル別注平政 160F ジェットブースト(Aオレンジ / 97g)
- ⑧ サーディンボール 130S フラッシュブースト(Fトウリンイワシ / 77g)
- ⑨ ペグマ 200HS ジェットブースト(ブルーCシャッド / 120g・グロー搭載)
- なぜオレンジ基調なのか?
- シンキングルアーの位置付け
- 2025年クロマグロ戦略の全体像
- 最後に──「今年も、あのドッカーンを求めて」
釣りは哲学であり美学
私は釣りを単なる「魚を釣る行為」とは捉えていない。そこには哲学があり、美学があり、己との対話がある。
もちろん、もっと楽な釣り方はある。ポッパーで派手に水面を爆発させ、目立たせて喰わせるのも有効だ。だが私はあえてダイビングペンシル一本勝負にこだわる。水面直下をスライドさせ、ふわりと浮かせる。そしてわずかな「間」で喰わせる。この繊細で奥深い釣りがたまらなく好きなのだ。
ドリームツアーで600投以上投げ続けて掴んだ1本。その感触は今も指先に残っている。あの一撃の快感を、もう一度味わいたい──。
2025年のルアーコンセプト
今年のメインテーマは明確に定まった。
- 誘い出し重視
- オレンジ基調の統一感
- 動かして、止めて、喰わせる
多くの情報を分析し、経験を積み重ねた上で、今シーズンはこのスタイルを軸に戦うことに決めた。
完璧に整えたラインナップ
では、今年投入するルアーたちを紹介しよう。それぞれに役割と魂を込めている。
① ダイブフラット 240F(Aオレンジ / 138g)
言わずと知れたメインウェポン。誘い出しの中核を担う一本だ。
水面直下をスライドさせる柔らかいアクションは、ベイトにスイッチが入りきらないクロマグロに対して効果絶大。まさに”ドッカーン”を生み出す主役。朝イチ、ベタ凪、ナブラが出る前のタイミングでは、迷わずこれを投げる。オレンジの視認性も抜群で、キャストコントロールしやすいのも魅力だ。
② フルスロットル 240F ジェットブースト(キョウリンオレンジ / 120g)
誘い出しのもう一つの主力。スライドの切れ味が鋭く、遠投性能も申し分ない。
オープンウォーターで広範囲に探る際、あるいはナブラ直後の広がりを拾う時、これほど頼もしいルアーは他にない。名前の通り、フルスロットルでスイッチを入れ、止めた瞬間にマグロが下から突き上げてくる。これぞ誘い出しの醍醐味だ。
③ ワイルドレスポンス 240F アルミスペシャル(ケイムラアルミシイラ / 137g)
晴天・日中の切り札。
ケイムラとアルミの反射は、クロマグロの視覚に強烈にアピールする。特に凪の日中、スレ始めたナブラに対してはこのギラギラ感が効く。まさに光で喰わせるルアー。今年の新たなローテーション要員として期待している。
④ オシアペンシル別注平政 220F(キョウリンオレンジ / 114g)
オーソドックスながらも信頼度の高い一軍ルアー。
中規模ナブラ、沈みかけの群れに投入しやすい万能選手。特に誘い出し後に追尾があるけど喰わない時、このサイズダウンが非常に効く。実はこの「220mm」というサイズが、クロマグロの捕食スイッチにとても良い絶妙な刺激を与えてくれる。
⑤ 別注平政 190F フラッシュブースト(Aオレンジ / 73g)
小型ナブラ対応のセカンドライン。
シーズン後半、ベイトが小さくなった時に投入する一手。トップでは出にくい状況でも、しっかり水面直下でアピールできる。重量も軽く、ピンポイントキャストが決まりやすいのも武器となる。
⑥ ヘッドディップ 175F フラッシュブースト(Aオレンジ / 97g)
低活性時の秘密兵器。
浮き上がりを抑えつつ水面直下をキープできる特性が魅力。スレが進んだ群れや、食い気が下がったクロマグロに対しても粘り強く口を使わせられる1本。派手さはないが、実はこういう渋い状況下で生きるルアーが本物だと私は思う。
⑦ オシアペンシル別注平政 160F ジェットブースト(Aオレンジ / 97g)
小型ボイル専用機。
極小ベイトについているクロマグロはサイズダウンのローテで拾うのが正攻法。その際に投入するのがこの160F。軽快なアクションで小型群れも騙せる。
⑧ サーディンボール 130S フラッシュブースト(Fトウリンイワシ / 77g)
極小ベイト完全対応弾。
小サバ・イカナゴ・カタクチ10cm以下に執着している時の最終兵器。沈下力もあるので沈みかけナブラでも活躍してくれる。
⑨ ペグマ 200HS ジェットブースト(ブルーCシャッド / 120g・グロー搭載)
沈下系の切り札。
ナブラが沈降し始めたとき、潮流で横に流れる群れ、潮下撃ち…。こういったシチュエーションで投入するために用意している。今年は沈下対応も視野に入れて、より立体的に群れを攻める布陣を整えた。
なぜオレンジ基調なのか?
私のカラー哲学は一貫している。「魚が見てる世界」をイメージして選ぶ。
クロマグロの線視力はヒトよりかなり劣る。だが、色のコントラスト・フラッシング・動きの違和感には極めて敏感だ。水面直下10mまでであれば、赤〜オレンジ系は十分に色彩として残る。加えて、
- 船上からの視認性が高い
- キャスト精度が安定する
- 適度な刺激色でスイッチを入れやすい
この全てを加味してのオレンジ基調採用である。オレンジは「万能な中間色」なのだ。
シンキングルアーの位置付け
誘い出しの主軸を崩すつもりはない。だが、状況によっては沈みかけのナブラや潮流によって散った群れを拾わなければならない場面も出てくる。そのときのために、ペグマやサーディンボールのような沈下系の保険弾は必要になる。
私の哲学ではあくまで「沈めたくない」。だが沈めざるを得ない状況に備えた最低限の準備は怠らない。それが実戦での冷静な美学だと考えている。
2025年クロマグロ戦略の全体像
今年の北海道・積丹戦は、誘い出しを軸にしつつも全方位型戦略に仕上げた。
- 誘い出し主軸(フルスロットル、ダイブフラット)
- 表層光量勝負(ワイルドレスポンス)
- 食い渋り対応(平政190・ヘッドディップ175)
- 小型ナブラ拾い(平政160、サーディンボール130S)
- 沈下ナブラ撃ち(ペグマ200HS)
これだけの布陣が揃えば、よほど特殊な状況でなければどこからでもクロマグロにアプローチできる。
最後に──「今年も、あのドッカーンを求めて」
誘い出しは孤独な釣りだ。ナブラもなく、静かな水面にルアーを投げ続ける。300投、400投、500投…船の上は静まり返り、集中だけが残る。そして、何の前触れもなく突如水柱が上がる。
あの瞬間の脳汁こそが全てだ。
私は今年も追い求める。何も無い海で、見えないクロマグロと静かに駆け引きし、そして突き上げてくる一撃に出会うその瞬間を。
「ポッパーなんて使わない。俺はダイビングペンシルで勝負する。」
そう心に決め、2025年も積丹の海に挑む──。
状況 | まず投げるべきは |
---|---|
ベタ凪誘い出し | フルスロットル 240F ジェットブースト |
ナブラ発生 | ダイブフラット 240F |
晴天日中 | ワイルドレスポンス 240F アルミスペシャル |
沈みナブラ | ペグマ 200HS ジェットブースト |
小型ボイル | オシアペンシル別注平政 160F |