ジギングにおいて、ジグの「カラー選び」は悩みの種。
「もうどんだけあんねん!」と突っ込みたくなるほどのバリエーションがありますよね。私自身も、数々のカラーを試し続けてきました。最終的に感じたのは、カラーは「水深」と「魚の視覚」で使い分けることが重要だということです。
この記事では、魚の視覚や光の届き方をベースに、水深別カラー選びのコツを徹底解説していきます。水深と光の関係:魚にはどう見えている? まず押さえておきたいのが、水深による光の減衰です。
色 | 消える水深の目安 | 特徴 |
赤 | 5~10mで消失 | 真っ先に消える。血に見えるとも言われる |
オレンジ | 15m前後 | 黄系と混じりながら消える |
黄 | 20m以降から減退 | 自然に溶けやすい色 |
緑 | 30mまで見える | 残りやすく自然色 |
青 | 40m前後まで | もっとも深くまで届く |
紫・黒 | 色というよりシルエットで残る | |
グロー | 自発光で暗所でも視認可能 | |
ケイムラ | 紫外線で反応、海中ではボヤけた発光に | 海中でも紫外線が届く範囲内であれば“青白く光る” |
水深別ジグカラーの選び方
【0~30m】カラーが「効く」ゾーン
この水深では、色がはっきりと魚に見えていると考えてOKです。
推奨カラーと効果
- グリーンゴールド:自然な中にもアピール力あり
- ブルーピンク:青で見せてピンクで誘う万能型
- ケイムラ:晴天・澄潮で威力発揮。ナチュラルかつ発光感あり
- 赤金(赤キン):朝マヅメ・濁り潮で特に効果大。赤は浅場で最も視認されやすい
魚種別ポイント
- サクラマス:グリーン・ケイムラ系に好反応
- ヒラメ:ゴールド・オレンジ系に反応しやすい
- 青物:派手なブルーピンクやレッドヘッドなどの明滅系が有効
【30~70m】「色」から「明暗」と「シルエット」の世界へ
このゾーンでは色の判別が曖昧になり、明暗や輝き、シルエットで反応している可能性が高いです。
有効カラー
- ゼブラグロー:グローと無発光部のコントラストがマイクロベイト演出に有効
- 黒金(ブラック×ゴールド):シルエット強調+フラッシングで両立
- 紫系:深場まで残りやすく、ナイトにも有効
- シルバー系:フラッシュで誘う。日中・澄潮に効果的
注目カラー:赤キンの真価
赤は30m以降で急激に視認性が落ちるが、金の反射とセットで「キラつき」で存在感を保つ。
赤が消えても「シルエットとしての存在」は残る。
【70~100m】完全に「シルエット」と「光」で勝負
この水深では光がほとんど届かず、魚は発光体や濃淡の差でジグを認識しています。
おすすめカラー
- フルグロー:自己発光で視認性抜群。夜・曇天・ディープで効果大
- 黒:光が届かないからこそ“影”が際立つ。強い輪郭を見せたいときに
- 紫グロー:発光+紫の深場対応力。青物にも好まれる色味
魚にはどう見えている?
- フルグロー:発光して“発見しやすいエサ”に見えている可能性。まるで海中のホタル。
- ゼブラグロー:点滅に近い見え方で「群れ感」や「生命感」を演出
- 黒:逆に、他が光っている中で“影”としてのリアルさがある
状況別おすすめカラー早見表
状況 | 天候 | 水深 | 海況 | おすすめカラー |
朝マヅメ | 晴れ | ~30m | 澄潮 | 赤キン、グリーン、ケイムラ |
昼間 | 曇り | 30~70m | 濁り | ゼブラグロー、黒金、紫系 |
ナイト | 晴れ/曇り | 70m~ | – | フルグロー、黒、紫グロー |
カラー選びに迷わないための“原則”
- 30mまで:魚は“色”を見ている。カラーが効くゾーン
- 30~70m:色よりも明暗・発光・シルエットで判断される
- 70m以深:完全に“光るもの”と“影のシルエット”で勝負
たとえ「赤が見えない」深さでも、赤キンのゴールドで魚は気づく。
「グロー系が効かない日」は、黒で輪郭を強調するのも一手です。
ジグ選びは“想像力の釣り”
「今、入れたジグ、魚にどう見えてるんだろう?」
そう想像することが、釣りをより深く、そしてより楽しくしてくれます。
カラー選びはロジックと感性の融合。
ぜひ、この記事を参考に“水中の世界”を想像して、次の1本を釣り上げてください!
魚種別
サクラマス(サケ科)
視力:良好(特に若魚)/色覚:青・緑を認識できる可能性が高い
- 網膜に錐体細胞(色を見る細胞)が存在し、青・緑・UV領域(紫外線)を感知できる。
- ケイムラ(UV)系や青系に好反応する理由の裏付けになる。
- 成熟するにつれ視力は少し落ちるが、色の感知能力は保持。
✅ 見えている色の推定:青、緑、紫外線(ケイムラ)
シャケ(シロザケ・サケ科)
視力:非常に良好/色覚:赤~青の広範囲をカバー
- 遡上時に川の色の違いを認識するために、赤色も認識可能と考えられている。
- 若い時期(海にいる時)は青~緑、赤、UVまで見えているという研究も。
✅ 見えている色の推定:青、緑、赤、ケイムラ、金系の反射光
ブリ(青物)
視力:優秀/色覚:青・緑中心、コントラスト重視
- 活発な遊泳魚で、動体視力・コントラスト感度が高い。
- 色覚はあまり発達していないが、青や銀色のフラッシングには高反応。
- 明暗やグロー、ゼブラパターンなどの視覚的変化にも敏感。
✅ 見えている色の推定:青、銀、黒(シルエット)、明暗の変化
マグロ(クロマグロなど)
視力:超優秀(遠くの小魚まで認識)/色覚:青・緑中心、紫外線も
- 錐体と桿体の構造から、青・紫外線~一部の緑領域を感知できる。
- 「速く動くもの」「光るもの」への反応が非常に良い。
- 赤色は深場では見えていないが、浅場のナブラでは有効なことも。
✅ 見えている色の推定:青、緑、ケイムラ、シルバー、グロー
イカ(スルメイカ・ヤリイカなど)
視力:高精度/色覚:基本的にモノクロ(白黒)と言われるが疑問もあり
- 多くの論文では「色は見えていないが、偏光視覚(キラつき)に非常に敏感」とされる。
- ただし、近年はブルーやグリーンに強く反応する例も多く、完全なモノクロではないのでは?という議論も。
✅ 見えている可能性が高い要素:明暗、偏光反射(銀)、グロー、シルエット
✅ 共通点と相違点まとめ
魚種 | 色覚の傾向 | 特に反応する色・要素 |
サクラマス | 青・緑・UV感知 | ケイムラ・グリーン |
シャケ | 赤~青全体 | 赤金、ケイムラ、銀 |
ブリ | 青・銀・明暗認知 | ブルーピンク、ゼブラ系 |
マグロ | 青・緑・紫外線 | ケイムラ、フルグロー、シルバー |
イカ | 色盲傾向(偏光感知) | グロー、銀、シルエット変化 |
補足:水深と魚種の「色認知の複合戦略」
- ブリの60mジギングでは「ゼブラグロー+黒のシルエット」が最強か?
- サクラマスの表層キャスティングでは「ケイムラ+グリーン」が効く
- マグロのトップゲームでは「ブルー系の飛沫系ジグ」が認識されやすい