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title: "朝の定置網が光る瞬間｜白色LEDに集まる鮭たちの不思議な行動"
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  - "シャケ"
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目次1. [夜明け前の海で起きた不思議な出来事](#toc1)
2. [光に集まる魚たち｜走光性という本能](#toc2)
3. [鮭の目は青緑の光を最もよく見る](#toc3)
4. [光が呼ぶ「連鎖反応」｜プランクトンから鮭まで](#toc4)
5. [夜明け前という「スイッチの時間」](#toc5)
6. [色を変えたらどうなる？｜赤・青・緑の比較](#toc6)
7. [漁の現場に広がる“エコ集魚”という考え方](#toc7)
8. [光がつなぐ人と海](#toc8)
9. [まとめ｜光は海の共通言語](#toc9)

## 夜明け前の海で起きた不思議な出来事

10月に入り、北海道の海が一気に秋の色を帯びてきました。この時期になると、いよいよ鮭の定置網漁が中盤から終盤に入ってきます。  
夜明け前の静まり返った海へ向かうと、潮の匂いとともに空が少しずつ白み始めていくのがわかります。この時間帯の午前5時はまだ薄暗く、波間に浮かぶブイの位置も肉眼では見えにくいほどです。私たちは船のデッキライトを点け、網の上げ作業を始めます。

そんなある朝、不思議なことが起こりました。  
照明を点けた瞬間、海面がざわつき、キラキラと銀色の光が走ったのです。よく見ると、それは鮭でした。暗闇の中で静かに漂っていた群れが、ライトの明かりに反応して一斉に近づいてきたのです。しかも、一度だけでなく、何度か照明を点けるたびに同じような現象が起こりました。

なぜ、鮭は光に反応して集まってくるのでしょうか。私の今までの経験から言うと光はあまりよくないと思っていました。でも、実際には光に向かって突進してくるような勢いでした。その理由を、漁師としての現場感覚と魚の生態の両面から考えてみたいと思います。

## 光に集まる魚たち｜走光性という本能

魚が光に集まる行動は「走光性（そうこうせい） 」と呼ばれています。  
夜釣りで使う集魚灯や、イカ漁で照らす強烈なライトも、この性質を利用したものです。  
夜の港で小魚が街灯の下に群がるのを見たことがある方も多いでしょう。魚たちは、光を本能的に追いかけるのです。

鮭も例外ではないようです。鮭は稚魚の頃から光に反応して動く習性を持っています。  
川を下る“スモルト（銀化）”の時期には、夜のわずかな光に向かって泳ぐ行動が観察されています。  
つまり、鮭の体の中には「光を頼りに行動する」本能が組み込まれているのです。

成魚になって海を回遊するようになると、餌を探すための視覚情報がより重要になりますが、  
光への感受性が完全に失われることはありません。暗闇に突然現れた光に反応して動くのは、若い頃の習性が残っている証拠なのかもしれません。

## 鮭の目は青緑の光を最もよく見る

今回使用していたのは「白色LED」の照明です。白色LEDは青いLEDに黄色の蛍光体を組み合わせて作られており、光の成分としては「青から緑」の波長を多く含んでいます。

実はこの波長こそが、サケ科の魚が最も敏感に感じ取る色なのです。魚類の視細胞には、私たち人間にはない「青緑感度型」があり、およそ480〜520nmの波長に強く反応します。  
しかも、青緑の光は海中で最も減衰しにくく、深い場所でも届きやすい特徴があります。

つまり、白色LEDは鮭にとって「最もよく見える光」なのです。

近年、イカ漁やサバ漁などで従来の水銀灯から白色LED集魚灯へと切り替えが進んでいるのも、  
この波長の効果が大きいと考えられています。鮭が照明を点けた途端に集まってくるのも、白色LEDの光が彼らにとって自然で見やすく、興味を引く存在だからだと考えられます。

## 光が呼ぶ「連鎖反応」｜プランクトンから鮭まで

光に反応して集まってくるのは魚だけではありません。実は、海中のプランクトンや小魚たちも光を感じて動いています。彼らは光を「餌のある場所」や「安全な場所」と認識しているのです。

そして、プランクトンが集まると、それを捕食する稚魚や小魚が寄ってきます。さらに、それらを狙って鮭などの大型魚が集まってくる。まさに光を起点とした“海の連鎖反応”が起こっているのです。

つまり、こういう流れが現場で起きているのかもしれません。

1. 船の白色LEDを点ける
2. プランクトンや稚魚が光に集まる
3. 鮭が「餌がいる」と判断して近づく

定置網の中は外の海よりも流れが穏やかで、魚たちが落ち着いて泳げる環境です。そこに光が差し込むと、鮭の視覚と本能が一気に反応します。  
特に夜明け前の薄暗い時間帯は、鮭が最も活発に動くタイミングです。その時間帯に白色LEDを点けることで、鮭の活性が一気に高まるのです。

## 夜明け前という「スイッチの時間」

鮭が光に反応するもうひとつの理由として、時間帯の影響も大きいと考えられます。鮭は日中よりも夜明け前に活性が上がります。暗闇から朝の光へと移り変わるこの時間帯は、捕食行動が最も活発になる瞬間です。

魚類には、人間と同じように「体内時計」があります。そのリズムは光によってリセットされることが知られています。夜明け前の暗い時間に強い光が差し込むと、鮭の体内時計が“朝だ”と判断して、活動スイッチが入るのです。

そのため、照明を点けた瞬間に鮭が動くのは、単なる走光性ではなく、生理的なリズムの切り替わりも影響していると考えられます。

## 色を変えたらどうなる？｜赤・青・緑の比較

もし白色LEDではなく、単色のライトを使ったら、鮭の反応はどう変わるでしょうか。  
漁業試験や研究結果から、いくつかの傾向がわかっています。

- **赤色光**：海中では数メートルで吸収されるため、魚にはほとんど届きません。鮭も反応しにくいようです。
- **緑色光**：白色LEDの中でも最も集魚効果が高い波長です。鮭の目に最もよく映る色です。
- **青色光**：やや深い層まで届きやすく、イカやサバなどに特に効果的です。
- **白色光**：複数の波長を含むため、魚にとって自然に見える光です。

これらの比較からも、白色LEDは鮭にとって「最も違和感がなく、自然に見える光」であることがわかります。  
単色のライトよりも柔らかな明かりが、魚の警戒心を解き、自然に近寄らせているのかもしれません。

## 漁の現場に広がる“エコ集魚”という考え方

LEDの普及は、漁業のあり方も少しずつ変えています。従来の水銀灯やハロゲンライトは非常に明るい反面、電力消費が大きく、夜の海を強く照らしすぎてしまうこともありました。

それに比べてLEDは低電力・長寿命で、必要な波長だけを狙って照射できるという利点があります。近年では、青緑の波長を強調した「サケ用LED」や「イカ用LED」など、魚種に合わせたライトも登場しています。

こうした技術は、燃料コストを抑えるだけでなく、魚の行動に合わせた“生態にやさしい漁”を実現します。あなたの船で見られた「光に集まる鮭の行動」も、まさにその一端を示しているといえます。

しかし、現在は海中に光を発するものを設置できないようになっているので、光で寄せることはできません。イカ漁でも集魚灯の電球数・光力制限あります。全いか協（全国いか釣漁業協議会）で光源出力上限 180 kW があるので、とてつもなく明るくはできないことになっています。

## 光がつなぐ人と海

科学的な説明はいくつもありますが、実際に現場でその光景を目にした者にしかわからない「感覚」というものがあります。

照明を点けた瞬間、水面にキラリと銀色の背が跳ね、光に反射して網の中で揺れる影が見える。  
そのたびに海の息づかいを感じ、思わず息を呑みます。

もしかすると、鮭は光そのものに惹かれているのではなく、**光の中に“生命の気配”を感じ取っている**のかもしれません。  
海の中では、光は生き物たちの言葉のようなもの、鮭はその言葉に反応し、寄り添い、命をつないでいくのです。

## まとめ｜光は海の共通言語

鮭が光に集まる理由は、一つではありません。  
生理的な走光性、餌生物の連鎖、視覚の特性、時間帯、波長。  
それらすべてが複雑に絡み合い、海の中で一つの現象として現れているのです。

しかし、ひとつだけ確かなことがあります。**光は、海の生き物たちの共通言語である**ということです。

白色LEDを点けた瞬間、鮭が水面に集まり、海が静かに呼吸を始める。それは単なる照明ではなく、人と魚、そして海をつなぐ合図のようなものです。

私たち漁師は、そのサインを感じ取りながら、今日もまた、海と向き合っています。

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